HEAVY 4D TOKYO

公共交通オープンデータ協議会 (会長: 坂村健) が主催する「東京公共交通オープンデータチャレンジ」にて、オギクボ開発株式会社が応募した「HEAVY 4D TOKYO」が準最優秀賞を受賞いたしました。

コンテスト結果WebサイトURL: https://tokyochallenge.odpt.org/award/index.html

HEAVY 4D TOKYO概要

HEAVY 4D TOKYO: http://tokyochallenge.4dmaps.net/ (2018年5月31日末まで一般公開)

東京の大動脈である鉄道やバスなどの公共交通網の動作を、PC・スマホ上で動作する3次元地図に表示するソフトです。

従来の交通情報は駅・バス停の所在や路線図、時刻表等の情報が個別にまとめられていただけで、そこから必要な情報だけを抽出し、現実世界で起こりうる事象を想定する仕事は個々の利用者に委ねられてきました。これらの情報を有機的に結びつけ、現実世界に忠実な動作を再現できれば、より短時間に的確な情報伝達が可能になると考えた結果が、今回開発した3次元空間表示による「動く交通情報」なのです。

まるでドローンで撮影されたかのような俯瞰構図の臨場感は、静的な平面地図では到底味わえないものです。画面に映し出される乗り物の動きは時刻表に秒単位で合わせてあり、その意味では、動く時刻表とも言えるでしょう。実用性と趣味性を兼備した本作品は、国内外問わず、日常生活により大きな楽しみと可能性を提供できると信じております。

詳細な説明文章

1000万を優に超える人口を擁するマンモス都市東京、この空間には毎日周辺から膨大な量の人間が流れ込む。その移動の大部分を担うのが、世界に類を見ない、緻密にはりめぐらされ、しかも秒刻みの正確さを保ちながら運行される鉄道やバスなどの公共交通網である。

しかし、東京を生活圏とし、毎日満員の電車やバスで「生活の場」と「仕事の場」の往復を繰り返す大多数の住民が、実は東京の交通システムの驚くべき全貌を目の当りにし、その威力を体感する機会は全くないといってよい。高度情報化の進展は交通情報配信の分野でも著しく、特にネット地図サイトはその利便性の高さから、既に世界中で日常的な存在になっている。これらのツールは、地図の拡大・縮小や視点の平行移動は自由に行なえるが、あくまで静的な2次元平面上の「点」の探索を目的としており、人間が目で捉える地理感覚との間にずれを生じることは避けられない。PC上で、より実在感のある地理感覚をつかむためには、2次元平面表示だけでは限界があるのである。

このような様々な制約を打破したのが本アプリケーションである。最大の特徴は、人間の視覚に近い3次元空間を構築し、さらにその中を移動する電車やバスを (時刻表にもとづいて) 実際の運行状況そのままに表示することを可能にしたことである。このシステムは、恰も自分がその空間に身を置いているかのような、平面地図ベースの情報とは根本的に異質の感覚をもたらす。そして、ある交通手段がどのような経路を辿り、何処を目指して移動するか、異なる交通機関同士はどのように連結しているかなど、単なる地理情報以上の興味をそそる効果がある。このシステムは、巨大都市全体の躍動を知ることの出来る、最良の方法であると確信する。

これは巨大な鉄道模型でもある。広大な空間の中を縦横に移動する電車やバスの様子を見ることそのものが、大きな楽しみではなかろうか。